同じ金額が、3つの表で少しずつ違う。どれかが古く、どれかが直し忘れ。二重入力の本当の怖さは、入力の手間より、どれが正しいのか分からなくなることにあります。手間は慣れますが、信頼できない数字は、確認と手戻りを呼び続けます。
だから、画面を一つ作れば片づく話ではありません。どのデータを正本にするか、誰が直せるか、どのタイミングで他の表やソフトへ渡すか。順番に決めていきます。
(想定例)ある会社では、金額を3つの表に手で写していました。慣れた作業で、入力そのものは苦になりません。詰まるのは月末、数字が合わないとき。どれが最新かを確かめ直すのに、結局いちばん時間を使っていました。
二重入力でまず失うのは、時間ではなく、どの数字を信じてよいかという確信。
まず、正本を1つ決める
正本とは、判断のよりどころにする、一番信頼できる情報です。顧客名、案件名、見積り状況、請求予定を、どの表・どの画面で持つかを一つに決める。ここが二つあると、食い違いはまた生まれます。
- 顧客情報の正本
- 案件状況の正本
- 見積りや請求予定の正本
- 担当者や期限の正本
転記を、全部なくそうとしない
最初から全てを自動連携すると、連携先の仕様変更や例外処理で詰まります。まずは、入力回数が多く、ミスの影響が大きい場所から減らす。金額や契約条件のように、間違えると響く情報は、自動反映だけに頼らず人の確認を残すほうが安全です。確認が要る場所を、最初から設計に織り込みます。
直し方を、先に決めておく
二重入力を減らしても、入力ミスはゼロにはなりません。だからこそ、誰が直せるか、直した理由を残すか、連携先にどう反映するかを、あらかじめ決めておきます。
結局は置き場所を決める作業
二重入力の改善は、自動化というより、情報の置き場所を決める作業です。正本データ、確認者、連携順、例外時の直し方。この順で整理すれば、増やすべき画面と、要らない画面が見えてきます。
